住宅会社が決まり、着工する前に必ず行うのが工事請負契約の締結。
でも、契約書というと難しい言い回しで事細かに書かれている上、
「不可抗力による損害」とか「違約金」、「中止権・解除権」、
「紛争の解決」といった後ろ向きの内容が中心で、
よく「契約書ってこんなものなんですか?」と驚く方もいます。
無理も無いところですが、工期や金額などのあたり前の内容だけでなく、
トラブルが起こったときの取り決めをまとめたものが契約書です。
何ごとも起こらなければ契約書を引っ張り出すことはまずありませんが、
逆に何か起これば、契約書の文言で判断されることになります。
そういう点で、おざなりにして良いものではありません。
その一つが「請負代金の変更」について。
契約後、設計や施工の途中で、設計内容の変更はよくあること。
変更内容によっては金額が増減することもあります。
が、減額する金額によっては施主がペナルティ、
具体的には住宅会社から契約の解除を申し渡され、
解除に伴う損害賠償を請求されることがあるのです。
特に注意が必要なのは、
「請負代金が10分の1以上減少したとき」と規定されている場合。
つまり、3000万円の請負金額だとしたら、300万円以上減額して
請負金額が2700万円以下になった場合に、この条項が適用されます。
しっかり事前の打合せをしていれば、
1割以上の減額がでることはほとんどないでしょうが、
それでも例えば外構工事と太陽光発電の設置などを合わせれば、
300万円くらいの金額にはなります。
そのため、契約時には請負契約に何が含まれていて、
別途工事や付帯工事が何なのか整理し、
契約後に大幅な減額が出ないかを確認する必要があります。
一般的には「3分の2以上減少したとき」という規定が多いので、
この条項が適用されることはほとんど無いと思いますが、
(3000万円の工事が1000万円になった場合ですので)
それでも大手ハウスメーカーはじめ、時々
「10分の1以上減少したとき」という規定も見かけます。
オプションをたくさん付けて契約したものの、
予算が厳しくなって減額するということも起こり得ます。
契約後に減額してペナルティを受けないためにも、
まず最初に家計の収支予測を出して予算額を確定した上で
設計の打合せをしっかり行ない、契約の際には
見積はじめ契約約款の中身をよく確認するようにしてください。